数検は意味ない?という声がありますが、実際は入試での優遇制度など、さまざまなメリットがあります。
この記事では、数検にはどんなメリットがあるのか、年代別にご紹介しますね。
そもそも、なぜ数検は意味ないと言われるのかについても調べてみましたので、順に見ていきましょう。
もくじ
数検は意味ないと言われる理由
- 英検・漢検に比べて知名度が低い
- レベルによっては意味がない
数検が意味ないと言われる理由を調べたところ、圧倒的に多かったのが、知名度の低さでした。
「英検や漢検は学校で受けられるのに、数検は受けられないから、受ける意味ないのかな?」「周りの受験人口は3つの中で一番少ない」という声もあります。
確かに数検ってあまり聞かないかも。
また、求められるレベルよりも低い級を持っていてもあまり意味ないことが考えられます。これはどの検定でも言えますね。
ではまず、数検とは何か、どんなレベルがあるのかを見ていきましょう。
数検とは
「実用数学技能検定」を省略して「数検」、誰でも受検することができる検定です。
文部科学省が後援している記述式の検定で、算数・数学の実用的な技能や論理構成力を測ります。
日本だけでなく、東南アジアの国々でも実施され、高い評価を得ている検定です。
数検のレベルとは
幼児から大学・一般レベルまでの15階級を選んで受験することができます。
引用:公益財団法人日本数学検定協会公式ホームページ
数学検定(1~5級)には、1次検定(計算技能検定)と2次検定(数理技能検定)があり、両方を同じ日に受験することができますよ。
合格率は、11級~8級は90%前後、7~6級は80%前後、5~3級で70%前後、準2級40%、2級30%、準1級25%、1級10%前後と、どんどん難しくなっていきます。
英検や漢検に比べて知名度は低いかもしれませんが、数検には、意味ないとは言えないメリットがありますよ。
これから詳しくお伝えしますね。
数検が意味ないとは言えないメリット!何級から有利か
数検のメリットについて、各年代別にお伝えします。
どの年代にとっても、意味ないとは言えないメリットが見られます。
小学生以下のメリット
基礎を大切にした試験内容になっているため、算数の基礎や考え方が身につく
それぞれ対応する学年をお伝えしましたが、数検は、実際の学年を超えて、好きな級を受けることができます。
合格というわかりやすい目標を掲げて、一人ひとりに合ったペースで勉強できるのがうれしいですね。
小学校のレベルなら合格率も80%前後と高めなので、挑戦しやすく、モチベーションを保つこともできそうです。
中学・高校・高専入試のメリット
中学、高校、高専において、学科試験の成績だけでなく、数検の取得を活用する学校が多数(2022年の調査では高校入試で1099校)
具体的な優遇、評価方法は学校によって異なります。
日本数学検定協会公式ホームページから、学校の一覧ファイルを見ることができますよ。
一覧を見ると、中学入試では6級(小6程度)以上とする学校と4級(中2程度)以上を必要とする学校が見られ、高校、高専入試では3級(中3程度)以上が多かったです。
参考までに、一覧の中にある例を挙げておきますね。
大学入試のメリット
- 推薦やAO入試などのアピールポイントとなる
- 加点となる学校もある
2022年の調査では、大学・短期大学・専門学校において、531校が数検取得者を優遇・評価していることがわかっていますよ。
3級(中3程度)は必須で、さらに準2級、2級、準1級、1級とレベルが高いほど有利になっています。
参考までに、一覧の中にある例を載せておきますね。
私立が多いけど、国公立の大学もあるよ!
加点が高い学校も見られたので、日本数学検定協の公式サイトを一度チェックしてみてくださいね。
高等学校卒業程度認定試験(旧:大検)のメリット
高等学校卒業程度認定試験の必須科目「数学」の試験が免除(数検1級、準1級または2級取得)
高等学校卒業程度認定試験は、高校を卒業していない人が、高校卒業と同程度以上の学力があるかを測る試験です。
数検2級以上を取得していれば、数学の学力があるとみなされるため、「数学」の試験が免除されます。
認定試験の免除は以下の検定が該当します。英検は入っていますが、漢検は対象外です。
一発勝負の試験よりも、何度も受けられる数検の方が向いている人は多そうだね!
単位認定のメリット
440校以上の大学、高専、高校で、数検の取得が特定の科目の単位取得として認められる
何級から単位取得になるかも学校によって違いますが、多くの大学が2級以上、高校が準2級以上となっています。
単位を取得するためには、特定の授業を受けたり課題をこなしたりする必要があるため、数検を受けておくと便利ですね。
就職・社会人のメリット
- SPIの対策になる
- 書類審査や面接でアピールできる
- 仕事に役立つ
就職では、約半数の就活生がSPIという試験を受ける機会があると言われています。
SPIの数学が含まれる非言語という分野は、数検の出題範囲と重なっており、ある年の重複率は準2級で74%、3級で53%でした。
書類審査や面接では、数検があるから採用!とまでは難しそうですが、あなたの性格や特技の判断材料となります。
また、「数字を扱う仕事に役立った」という声や、記述式の試験のため「論理的に考える力がつき、仕事に役立った」という声もありますよ。
数検は意味ないことはない勉強の仕方と受け方
数検の勉強の仕方
- 教科書の内容を理解する
- 数検用の問題集を解く
数検は、基礎的な内容を多く含むめ、教科書の内容を理解していればある程度の点数が取れます。
学校の宿題やテストでわからなかったところ、間違えやすいところを抑えておくとよいですね。
あとは、数検の出題傾向をつかむため、数検用の問題集を解いておくと安心です。
いろいろな問題集がありますが、私のおすすめは、気に入った問題集を繰り返し解くことです。
1回目に間違えたところに印をつけておけば、2回目は印の問題だけ解けば効率よく勉強できますよ。
要点つきの解説が丁寧な問題集と、過去問集があるのですが、時間がない方や、自信のある方は過去問だけでもよいかと思います!
■問題集
■過去問集
数検の受け方
- 個人で申し込む
- 提携会場で申し込む
- 団体(学校など)で申し込む
- 個人受験
- 1級~8級、かず・かたち検定(※1級は個人受験のみ)
- 年3回実施(2024年は4月、7月、10月)、受付期間は実施日の2ヶ月〜1ヶ月半前
- 「ネット申込」「LINE申込」「コンビニ申込」「郵送申込」が選べる
- 1級:8,500円、準1級:7,300円、2級:6,500円、準2級:5,600円、3級:4,900円、4~5級:4,300円、6~8級:3,200円、かず・かたち検定:2,700円
- 提携会場受検
- 準1級~11級まで
- 年15回の中から、提携会場が設定した日程で受ける
- 「ネット申込(CBTS提携会場受検申込サイト)」からの申込が可能
- 定員があるため、申込期限にかかわらず、定員になった時点で締め切られる
- 9~11級:2,700円、他は個人受験と同じ
- 団体受験
- 準1級~11級、かず・かたち検定
- 年17回の中から、団体が指定した日程で受ける
- 学校など各団体から申し込む
- 3人以上で団体の申込が可能
- 準1級:6,400円、2級5,600円、準2級:4,800円、3級:4,300円、4~5級:3,800円、6~8級:3,100円、9~11級:2,500円、かず・かたち検定:2,700円
詳細は、公益財団法人日本数学検定協会の公式ホームページを確認してくださいね。
まとめ
- 数検が意味ないと言われるのは、知名度の低さが大きい
- 数検で小学生以下のメリットは、自分のペースで目標を立てて基礎が学べること
- 数検で中高大学入試のメリットは、試験への加点やアピールになる学校が多くあること
- 高等学校卒業程度認定試験(旧:大検)では、数検2級以上で「数学」の試験が免除される
- 440校以上の大学、高専、高校で、数検の取得が特定の科目の単位取得として認められる
- 就職や社会人のメリットは、SPIの対策、書類審査や面接でアピールできる、仕事に役立つこと
数検は意味ないと言われることがありますが、以上のメリットがあることがわかりました。
入試などで具体的なメリットを得られない方にとっては意味ないと感じるかもしれませんね。
しかし、数検は、誰でも自分のペースで受けられる公共性のある検定です。
算数や数学の勉強を深めるために、目標を立てて計画的に勉強する経験ができ、結果的にメリットになることは多いのではないでしょうか。