「よもぎ栽培が日本で禁止されている」という噂は数年前にX(旧:Twitter)で流れたデマ…というか、勘違いだったようです。
よもぎ栽培は禁止されていません。しかし、育ちすぎる点や虫の発生など「禁止」と言いたくなるような注意点がありますよ。
よもぎは繁殖しやすいため、庭でも育てることができますが、注意したいデメリットも見られます。
この記事では、よもぎ栽培が禁止と言われる理由や注意点、自宅での育て方を一緒に見ていきましょう!
もくじ
よもぎ栽培が禁止と言われる理由3つ
まず、よもぎ栽培が禁止という情報はありません。なぜ禁止と言われるのか、その理由を見ていきましょう。
理由1:よもぎの商品が発売禁止された
冒頭でお伝えしたように、某メーカーの袋入りよもぎ茶が販売中止になったことから、旧Twitterで「よもぎ=禁止」という誤った認識が一時的に広がりました。
あとになって、これは勘違いだったということが判明しています。
理由2:よもぎの乱獲への注意喚起
よもぎは、野山に生えている植物です。自然豊かな土地に行くと、公園や土手、田畑のあぜ道などに生えていますね。
しかし、誰かが所有する土地(私有地)のよもぎを許可なしで摘んではいけません。窃盗になってしまいます。
公道であっても、よもぎに似た植物と間違えて食べてしまう危険性や、除草剤が撒かれている可能性もあります。
そのため、基本的に道に生えているよもぎを独断で摘むのはやめておいた方がよいですね。
以上の理由から、「よもぎ=禁止」というイメージが出てきたのかもしれません。
理由3:庭で育てるときには要注意
最後に、よもぎ栽培をしたい方に知っておいてほしい重要な注意点があります。
- 繁殖力が強くて育ちすぎる
- アブラムシが大量発生する
- 花粉症の原因になる
これは、禁止と言われてもおかしくない理由だね…。
よもぎを庭で育てる注意点について、詳しく見ていきましょう!
よもぎ栽培が禁止のうわさは庭で育てるとき!注意点と解決策
よもぎを庭で栽培するときの注意点、「繁殖力が強い」「アブラムシの大量発生」「花粉症の原因」という3つは、どれも重大なデメリットと言えますね。
それぞれについて、庭で育てるためにできる解決策と一緒に解説します。
繁殖力が強い
よもぎは、地下茎で育つ植物で、地下に長い根を張りながら繁殖していきます。その繁殖力がかなり強いです。
そのため、周りの植物に侵食したり、広がりすぎて手に負えなくなったりしてしまう可能性があります。
解決策
- 他の植物が近くにない広い場所に植える
- 定期的に駆除する
- プランターで育てる
- 水耕栽培する
- 花は種が落ちる前に摘む
広い庭なら、よもぎのための一角を確保して、定期的に駆除して株の数を管理することで増えすぎることなく育てることができます。
駆除するときには、地下深くに広がっている根をしっかり抜きましょう。
場所が確保しにくい場合は、プランター栽培や水耕栽培がおすすめです。
よもぎには、野菜や果樹など他の植物に害虫を寄せ付けない効果(アレロパシー効果)があり、他の植物との混植には適していますよ。
アブラムシ大量発生
アブラムシは寒い冬以外はいつでも活動しており、とくに、よもぎの新芽にやってきます。
アブラムシがついたからといってすぐに枯れてしまうことはありませんが、放っておくと栄養を吸って弱らせたり病気の元になったりするため、早めに対処したいところです。
解決策
- 天然由来の忌避剤(木酢など)をかけて予防する
- 天敵(テントウムシ)を連れてくる
- 反射素材のテープやシートを株元に敷く(キラキラが苦手)
- 新芽が出てきたときにはとくに気をつけてチェックする
- 見つけたら指や歯ブラシ、粘着テープなどでこすり落したり、水で流したりする
- 牛乳スプレーをかけて、水で洗い流す
- 粘着テープを周辺に設置して捕獲する
忌避剤や天敵、キラキラしたもので予防し、見つけたら速やかにやっつけてしまいましょう。
牛乳スプレーは、牛乳を少し水で薄めたものをアブラムシにスプレーすることで退治できると紹介されています。乾いた後に洗い流す、かけすぎないという注意点がありますよ。
他に、唐辛子スプレー(唐辛子と水をペットボトル入れて1日置く)も有名です。刺激が強いので目や手指の保護が必要です。
花粉症の原因
秋の花粉症と言えば「ブタクサ」が有名ですが、ヨモギもブタクサと同じキク科の植物で、どちらも草本花粉と呼ばれます。
よもぎの花が咲き、花粉が飛散するのは8月~10月ごろ。花粉の粒が小さいため。気管支まで入り込んで喘息のような症状が出ることもあります。
秋に花粉症の症状がある、メロン・スイカ・セロリ・人参を食べると喉や口にかゆみやイガイガがある(ヨモギ花粉アレルギーと合併しやすい)方は栽培を控えたほうが無難です。
よもぎ栽培は禁止ではない、育て方やメリットを解説!!
土・プランター栽培
まずは、植える場所と土、種または苗を用意します。
よもぎは風通しと日当たりのよい場所、水はけのよい土を好みます。その条件の下では土質に関係なく成長しますよ。
必要なもの
- 種や苗(通販やホームセンターで販売している)
- 3~5号鉢またはプランター
- 水はけのよい土(例、赤玉土7:腐葉土3、または庭の土に腐葉土を3割混ぜる)
- 鉢やプランターは、鉢底石
植え付け
土を入れてから種をまきます。苗の場合は3分の1ほど土をいれたところに苗を植え、さらに土を追加しましょう。
水やり
種をまいてから芽が出るまでは乾かさないよう水やりをします。
芽が出たら、土の表面が乾いてからたっぷり水を与えます。(鉢やプランターの底から水が流れるくらい)
雨のかかる庭に植えている場合は、はじめの1~2週間は土が乾かないよう水やりをし、あとは雨に任せても大丈夫です。
肥料
肥料はなくても育つそうですが、栄養を必要とするため、1~2ヶ月に1回液体肥料を与えるとよいですよ。
収穫・増やし方
冬を越した3月に新芽を収穫し、6月~7月ごろの初夏には葉を収穫しましょう。
秋になると花が咲いたあとに種ができます。種を採取して保管し、3~4月頃に種をまくことで増やしていくことができますよ。
植え替え
プランターや鉢の場合は根詰まりするので、1~2年に1回植え替えが必要です。
他のプランターに移し替えて増やしてもよいですし、多い分は駆除してしまえば増えすぎることもありません。
水耕栽培
水耕栽培だと、虫がわきにくく、室内で気軽によもぎを育てることができます。
キットも販売されていますが、タッパーなどの容器で気軽に育てられますよ。
必要なもの
- 種
- プラスチック製の容器
- スポンジ
- 水耕栽培用の肥料
種まき
十字に切り込み均等に入れたスポンジにヨモギの種をまき、水を入れ容器に入れます。そして肥料を用法・容量に従って入れておきましょう。
スポンジは水耕栽培用のものが売っていますし、キッチン用のスポンジでも大丈夫ですが、メラミンスポンジは密度が高すぎるため不向きです。
スポンジなしでそのまま水に種を入れることもできますし、スポンジがあると水の入れ替えがしやすくなります。
肥料はなくても育ちますが、ある方がより早く成長しますよ。
水の追加・入れ替え
水が減ったら追加し、濁りが出てきたらすぐに古い水を捨て、容器を洗って新しい水を入れましょう。
水は、常温で、できれば浄水器やミネラルウォーターを使うとよいです。
よもぎ栽培のメリット
- 強くて土質を選ばないため、初心者でも育てやすい
- 新鮮なよもぎをタイミングよく収穫できる
- よもぎは、免疫力の向上や美肌効果が期待できる
- よもぎを使ったレシピは幅広く、料理のレパートリーが広がる
よもぎは、万能薬として古くから親しまれてきた植物です。
よもぎ餅だけでなく、おひたしや天ぷら、おかゆにしたり、ハーブとしてパスタに入れたりと色々な使い方ができます。
また、葉を収穫し、2~3日干してフライパンでから炒りすることでできるよもぎ茶は、解毒作用があり冷え性や生理痛の改善の効果が期待できるとされていますよ。
よもぎ栽培、やってみようかな♪
まとめ
- よもぎ栽培が禁止と言われる理由は、「某メーカーの製品が販売中止になったことによる勘違い」「乱獲禁止から派生」「栽培の注意点から派生」が考えられる
- よもぎ栽培の注意点は、「繁殖力が強い」「アブラムシの大量発生」「花粉症の原因となる」の3つ
- プランターや水耕で栽培したり、アブラムシの忌避剤や駆除で対策することができるが、よもぎの花粉症がある場合は栽培を控えた方がよい
- よもぎは、種や苗を植えてからそこまで手が掛からず育てやすく、栄養を必要とするため、肥料があるとより育ちやすくなる
- よもぎは健康によく、初心者にも育てやすくて幅広く活用できる植物
よもぎ栽培は禁止されておらず、むしろ育てやすくて幅広く活用できる植物だということがわかりました。
注意点を知っておくことで、栽培禁止にしたくなるような事態を避けて、適切に対処することができますね。
あなたも庭やベランダ、キッチンでよもぎ栽培に挑戦してみませんか?