3年生で勉強につまずくのには、脳の発達による9歳の壁が関わっています。
「3年生になって成績が落ちている」「YouTubeやゲームばかり…」と頭を抱えていませんか?
もしやる気の問題だけなら、3年生がやる気の出そうなことを提案するという方法があります。
- ○○点以上でお小遣いアップ
- 決まった勉強ができたら好きなことをしてOK
このような対応でも効果がでない場合は、根本的に勉強につまずいていることを考えましょう。
3年生の勉強は、2年生の時とはひと味違う内容となっています。
3年生では何を習うのか、教科書の内容をまとめつつ、つまずきポイントを解説します。
- 勉強が嫌いになってしまった
- 発達がゆっくりで勉強についていけていない
- ゲームばかりで全然勉強しない
こんなお悩みをもつ方に向けて、親子で乗り越える方法やおすすめのアプリやドリルを教員免許をもつ私が自身の経験も踏まえつつご紹介します。
もくじ
3年生で勉強につまずく理由3つ!これが9歳の壁

ここでは、3年生で勉強につまずく3つの理由を見ていきましょう。
3年生の勉強でつまずく理由①理科・社会の教科が増える
低学年では「生活科」として、体験を通した学習がメインでしたが、3年生からは「理科」「社会」としての勉強がスタートします。
3年生で勉強する内容はこちらです。
理科 | ・生き物 を調べよう ・植物を育 てよう ・チョウを育 てよう ・風やゴムのちから ・こん虫 の世界 ・太陽 と地面 ・光 ・音 ・ものの重 さ ・電気の通り道 ・じしゃく ●葉 を出したあと ●花をさかせたあと ●わたしの研究 ●作って遊 ぼう |
社会 | ・まちの様子 ・農家 の仕事 ・火事からまちを守 る ・店ではたらく人と仕事 ・事故 や事件 からまちを守る ・工場 ではたらく人と仕事 ・かわる道具 とくらし |
テストでは、穴埋め問題や選択問題がメインとなっており、問題の読解力や記憶力が必要です。
様々なものに興味・関心をもつ姿勢や、読解力の基礎が不安定だと難しく感じてしまいます。
3年生の勉強でつまずく理由②算数・国語の問題が複雑になる
算数と国語では、主に以下の内容を勉強します。
日本教育出版 上 | 日本教育出版 下 | |
国語 | ・「じこしょうかいビンゴゲーム」をしよう ・かえるのぴょん ・白い花びら ・めだか ・俳句に親しむ ・本で調べよう ・クラスの「生き物ブック」を作ろう ・のらねこ ・きせつの言葉を集めよう ・取材して知らせよう ・わすれられないおくりもの ・ローマ字 ・漢 字を学ぼう | ・くらしと絵文字 ・絵文字で表そう ・へんとつくり ・モチモチの木 ・「おすすめ図書カード」を作ろう ・ことわざ・慣 用句 ・夕日がせなかをおしてくる ・いちばんぼし ・漢字の組み立て ・川をさかのぼる知恵 ・十二支 と月のよび名 ・強く心にのこっていることを ・おにたのぼうし ・漢字を学ぼう |
東京書籍 上 | 東京書籍 下 | |
算数 | ・かけ算のきまり ・時刻と時間 ・わり算の基礎 ・大きい数の筆算 ・長さ ・わり算 ・大きい数 ・大きい数のかけ算 ・分数 ・円と球 | ・小数 ・重さ ・分数を使った大きさの表し方 ・□を使った式 ・かけ算の筆算 ・倍の計算 ・三角形 ・表と棒グラフ ・そろばん |
算数の内容はとくに分数・小数・わり算と盛りだくさん!コンパスや三角定規も使います。
そして「実体験と離れた抽象的な事象を頭の中で考える力がつく」という発達段階に沿った学習内容です。
発達のスピードは個人差が大きいので、特にゆっくりなお子さんには理解するのが難しく感じてしまいます。
また、低学年の勉強はなんとかついていけても、しっかり定着していないと難しい問題が多く出てきます。

3年生の勉強は、低学年の学習の定着具合と、実体験じゃない理論を考える力に左右されるよ!
3年生の勉強でつまずく理由③友達関係に影響されやすくなる
一般的に9~10歳は「ギャングエイジ」と呼ばれ、友達とのつながりが濃くなっていく年齢です。
親の言うことよりも、友達に影響されやすくなり、親に対して反抗的な態度が目立つようになります。
内面は、自分のことを客観的に見る力が育ってきます。
友達との関わりを求めながらも、周りと比べて劣等感を感じたり、自信をなくしたりしやすい年齢です。
気持ちが不安定になり、ゲームなど好きなことで心の安定を保とうとする姿も見られます。
そのため、ゲームを取り上げたり、一方的に叱りつけたりするのは逆効果になる可能性が大きいです。
3年生の勉強時間の目安と取り組みたい内容

では、3年生で勉強につまずいてしまった場合、どうやって乗り越えればよいのでしょうか。
とにかく復習が大事とよく聞きますが、自信をなくしているお子さんには、先取り学習がおすすめです。
これから詳しく解説しますね。
勉強時間は学年×10分が目安
つまずきを取り戻すためにたくさん勉強させなきゃ…と焦る気持ちはよくわかります。ただ、無理は禁物です。
小学校の先生に勉強時間を相談したところ、子どもの集中力を考えると、無理なく自分で勉強できる時間は一般的に「学年×10分~15分」だそうです。
3年生なら30分~45分が目安ということですね。
集中力の長さは、個人差やその日の状態によって違うので、私は「10分を3回に分けてする」というように、1日のトータルで考えました。
とくに、勉強が嫌いになっている場合は、スモールステップで「まずは1問から」「5分できたらOK」などと、これならできる!というところを探りましょう。

しんどくない時間を少しずつ伸ばしていけるといいね!
復習で基礎を安定させる
算数なら「くり上がりのたし算、くり下がりのひき算、九九」などのつまずきポイント。
国語なら「漢字、文章を読む力」が3年生の勉強を支えます。
とくに読解力はどの教科にもつながっているので、継続して取り組みたいところです。後ほどおすすめのドリルをご紹介しますね。
復習内容について、私のおすすめは「つまずいているところの一歩手前」から取り組むことです。
なぜなら、繰り返し取り組む勉強は、楽しくないと続かないからです。
勉強が苦手な子どもは、「わからない」「できない」という事実に拒否反応を起こしていることが多いです。
1年生まで遡ってもいいので、花丸をつけてあげれられるところから始めたいですね♪
息子の場合、まる付けでは、「×」をつけるのではなく、その場でやり直しを促して「○」をつけてあげると間違えることへの抵抗が減りました。
また、わからない問題は「自分で考えなさい」と突き放さず、答えを教えてあげましょう。

自信がつくと、ひとりでも勉強に取り組めるようになるよ!
先取り学習で自信をつける
授業中にわからないことをひたすら聞かされることは、子どもにとって大変な苦痛です。
周りの友達はわかっているのに、自分だけがついていけていない…と、どんどん自信をなくしてしまうのです。
先取り学習のやり方は、隣で実際に問題を解くのを見せることが効果的です。
例えばひっ算は、手順が重要なので、やって見せながら、手順を繰り返し確認しましょう。
完全に理解することは目指さず、「これから学校でこんなことするんだな」と見通しがもてればOKです!!

細かいやり方なんかは学校で教えてもらおう!
「1問だけやってみよう」「明日習うところを少し見ておこう」と、親子共に無理のない範囲で取り入れてみてください♪

3年生の勉強でアプリとドリルのおすすめをご紹介

基本は学校の宿題やドリルがしっかりできることが大切です。
プラスアルファで何か取り入れたい方におすすめのアプリとドリルをご紹介します。
手探りで色々試した結果、勉強が苦手な息子が取り組めたものです。
勉強を楽しむおすすめのアプリ(無料)
■楽しい 小学校 3年生算数(算数ドリル)学習アプリ
文部科学省の課程を参考にして作られたアプリで、これぞ王道!というイメージです。
分かりやすい解説付き。子どもだけでも学習できて、復習におすすめです。
■おうちゼミ
引用:学研出版サイトHP
書籍を購入する必要がありますが、購入すると全教科(国語・算数・理科・社会)の授業動画が無料で見られます。
先取り学習におすすめですし、復習として理解を深めることもできますよ!
学習を進めるごとにキャラクターが育っていきます♪
■ビノバシリーズ
それぞれ国語・算数・理科・社会のアプリがあります。
4択クイズ形式で取り組みやすいのがポイントです。
ご褒美にモンスターを集めていくというゲーム要素も入っていますよ♪
読解力をつけるおすすめのドリル
■おはなしドリルシリーズ

- ことわざ・せかいのめいさく・かがく・どうぶつ・きもち・せかいのくに(1年生用)
- 世界の国・科学・ことわざ(2年生用)
- 科学(3年生用)
- 危険生物・人のからだ・都道府県・伝記・恐竜・こわいはなし・わらいばなし・うちゅう・ベストセレクション(低学年用)
興味のある内容を選ぶことで負担が減り、文章の内容自体も勉強になるのでおすすめです。
学年は関係なくできそうな内容を選び、はじめは大人が声に出して読んで、一緒に解いていきましょう。
無理なくすすめていき、1冊終わる頃には読解力が育っているはずです♪
■おはなし推理ドリルシリーズ

こちらのシリーズは、おはなしドリルシリーズの続きで4~6年生向けのドリルです。
おはなしドリルが簡単にできるようになったら、このシリーズに進みましょう♪
基礎を固める勉強の習慣づけにおすすめのドリル
■朝5分シリーズ

無理なく取り組める1回分の量がおすすめのポイントです。
こちらも学年に関係なくできそうなものから順に取り組みましょう♪
3年生が勉強につまずいたら塾に行くべき?

親へのSOSかもしれない
子どもが「勉強が嫌だ」「わからない」と話してきたときは、劣等感で苦しんでいるSOSかもしれません。
「そんなこと言ってたらダメでしょ」「わからないなら勉強しなさい」と返してしまいそうですし、実際に私もそのようなことを言っていました。
しかし、そのような言葉だけでは不安定になるばかりで、改善に向かうのは難しかったです。
不安定になっていた息子が、安心した表情を見せたときの言葉をいくつかご紹介します。
塾に行くのもあり
ここまで説明したことを、ママが一人で抱えるのには、なかなかの根気が必要です。
コツは、周りと比べず着実に力をつけることを目指すことと、ママも息抜きすることです♪
そして、ママが限界を感じる前に、家族みんなで協力するか、プロの先生に協力してもらいましょう。
プロの先生と言えば学校や塾の先生です。家庭教師もありますね!
塾は、勉強が苦手な子どもにとってはハードルが高く感じる場所です。
実際に、宿題がたくさん出たり、学校の進度とは別に独自のカリキュラムがあったりする塾も少なくありません。
学校の勉強だけでも精一杯のお子さんなら、学校の勉強を個別でサポートしてくれるような塾や家庭教師がおすすめですよ!
一度体験をして、子どもの反応をよく見ることと、塾の先生としっかり話をしてみましょう。

まとめ

- 3年生で勉強につまずくのは、抽象的な事象を考える力がつくことを見込んだカリキュラムが原因
- 3年生で勉強につまずくのは、低学年の基礎が定着していないことが原因
- 3年生は、人と自分を比べる力がついて、不安定になりやすい
- 3年生の勉強時間の目安は30分~45分で、無理のない範囲から始める
- 3年生の勉強のつまずきを克服するには、基礎の定着が大切
- 3年生で学校の勉強に困っているときは先取り学習がおすすめ
- 3年生で勉強につまずいているときは、共感・具体的なアドバイス・一緒に考えるスタンスで、安心感を大事にする
- 3年生で勉強につまずいて外部に頼るなら、学校の勉強をサポートしてくれるところがおすすめ
一度勉強につまずいて自信をなくしてしまうと、持ち直すのには「力」がいります。
はじめはやる気がないように見えるかもしれませんが、力が出ないときに無理に力を出すことはできません。
子どもが力を出せるように、ときにはお尻を叩きつつも、寄り添っていきたいですね。