ふとしたときに、昔の嫌なことばかり思い出して落ち込んでしまう、それは脳の働きからすると自然なことなのです。
嫌なことを思い出したら、まずは否定せずに受け止めましょう。そして少しずつ前に向けると素敵ですよね。
そう言いつつ、私も嫌なことばかり思い出して、ネガティブになることがあります。
そもそも、なぜ嫌なことばかり思い出すのでしょうか?
この記事では、嫌なことばかり思い出す心理や、対処法についてまとめているので、一緒に見ていきましょう。
もくじ
嫌なことばかり思い出す心理や脳の働きを解説

嫌なことばかり思い出すのには、以下の理由があります。
- 脳の働き
- 昔の嫌なことを解決できていない
- 今の心理的ストレス
- 未来が描けていない
1.脳の働き
嫌なことばかり思い出してぐるぐると考えてしまうのは、「記憶」と「感情」が関係しています。
最近の記憶や、インパクトのある記憶は脳の「海馬」というところにあり、昔の思い出は「大脳皮質」にあると言われています。
じっとしているときには大脳皮質が働くため、昔のことを思い出しやすいのです。
そして「海馬」に送られた記憶情報から、「扁桃体」が快・不快などの感情を決めています。
扁桃体は、危険を回避して命を守ることを優先しているため、不安や恐怖により強く反応します。
さらに、海馬と扁桃体はお互いに情報を送り合っているため、「出来事を思い出す⇒嫌な感情がわく⇒嫌な記憶が強化される」ということが繰り返されています。

不安や恐怖に強く反応することは、自然界では大切な防衛本能だね。
2.昔の嫌なことが解決できていない
昔のことを思い出して、嫌な感情が湧くということは、昔の嫌なことがまだあなたの中で解決していないということが考えられます。
ずっと一人で抱え込んでいたり、素直な感情を出すことをガマンしていたりしませんか?
昔のことだけれど、あなたにとってはまだ継続中の問題という心理が働いているのかもしれません。
3.今の心理的ストレス
心療内科の先生いわく、昔の嫌なことを思い出すときは、今なにか問題を抱えていることが多いのだそうです。
昔の記憶は、あるきっかけによって呼び覚まされます。
- 新しい仕事をするとき、前の仕事の失敗を思い出してまた同じ失敗をするかもしれないと不安になる
- 人間関係に悩んでいるとき、昔人に言われたことを思い出して自分はダメだと思ってしまう
このように、今の不安や問題について考える時に、昔の出来事を思い出すことが多いそうです。
4.未来が描けていない
嫌なことばかり思い出すときは、過去に意識が向いている心理状態です。
余裕がなくて先のことが考えられない、将来のことを考えても不安しかない、そんな状況ではありませんか?
気持ちに余裕がないと感じるときは、無理をせず休息をとることを考えてみましょう。
他にも、ただ過去を思い出すことが癖になっていることもあります。その方が実は気持ちがよいと考えている心理です。
未来について考えることに、負担を感じているのかもしれません。
嫌なことばかり思い出す心理が寝る前に働く理由

夜、寝る前に嫌なことを思い出すのは自然なことで、セロトニンというホルモンが関係しています。
セロトニンは、太陽の光を浴びることで分泌され、精神を安定させるため、幸せホルモンと呼ばれます。
夜暗くなると、セロトニンがメラトニンという睡眠に導くホルモンへと変化するためネガディブになりやすく、感情のコントロールが難しくなります。
また、じっとしているときには大脳皮質が働くため、昔のことを思い出しやすいとお話ししましたね。
そのため、寝る前に考えごとをすると、嫌なことばかり思い出しやすくなります。
寝る前は、よくないことを考えやすい時間だということを自覚しておきましょう。
寝ようとしている身体の反応に応えるべく、なるべくリラックスして過ごせるとよいですね。
嫌なことばかり思い出す心理の対処法3ステップ

応急処置は考えるのをやめる
嫌なことばかり思い出してつらくなるときは、一度その思考を断ち切りましょう。
考えないようにしてもぐるぐる嫌な考えが回ってしまうときには、「他のことで頭をいっぱいにする」ことを意識してみてください。
- 良かったことを思い出す
- 好きな音楽を聴く
- テレビを見る
- 本や漫画を読む
- 散歩をする
- 趣味に没頭する
- 身体を動かす(ストレッチや筋トレなど)
- 人と話す

ウォーキングは効果が高いみたいだよ!まずは負担にならないことをやってみよう♪
脳が疲れて正常に機能しない、例えばうつや、PTSDのような症状だと医療機関で適切な治療が必要です。
私は、生理前につらくなるPMSで悩んでいましたが、婦人科を受診して漢方や安定剤を処方してもらい、とても楽になりましたよ。
今も、お守り代わりに頓服用の安定剤を常備していますが、飲む機会はほぼありません。
どうしようもないときは、1人で抱えず、周りに頼ってくださいね。
考えを前向きに変えていきたい方は、これからお伝えする方法を試してみてください。
1.よく思い出す事象を整理する
まずは、思い出すことについて、嫌だった、つらかった、悲しかった…など、当時の気持ちをそのまま受け止めましょう。
それ以上のことは考えず、とにかくありのままの気持ちを「こうだったな」と言葉にするだけで大丈夫です。

嫌なことを思い出すこと自体は悪いことじゃないよ。
次に、自分を他の人に置き換えたり、相手がいるなら、相手の立場に立ってみたりと、客観的にみてみましょう。
- 自分または相手に余裕がなかったんだな
- 自分または相手の失敗はよくあることかもしれない
- あのときは未熟だったんだろうな、少しは大人になったかな
- あれは避けられなかった、仕方ない
など、頭の中にもう一人の自分がいるように、冷静にみることができたら素晴らしいです!
2.今の状況を乗り越える方法を考える
今起きていることと、昔の出来事は一度切り離して、今の問題は何かを挙げてみてください。書き出してみてもいいですね。
- 新しい仕事が不安⇒大事なことをメモして忘れないようにしよう⇒気分の上がるメモ帳や筆記用具を用意しよう
- 人間関係の悩み⇒どうしたらうまくいくかわからないので、誰かに相談してみよう⇒あの子をランチに誘おう
このように、今の問題について、解決策を探って行動に移していくことはとても有意義なことです。
こうして解決策を考えているときは、脳の中では、理性や論理的思考をつかさどる「前頭前野」が働いています。
前頭前野が働くと、恐怖や不安に強く反応する「扁桃体」の興奮は抑えらるため、嫌な感情は薄れているはずです。
3.未来の自分を想像する
嫌だった出来事を無かったことにすることはできませんし、なかなか忘れることができない方も多いと思います。
しかし、過去の出来事をどう捉えるか、これからどのように生きていくかは、今のあなたが決められることです。
- 嫌だったから、同じことはしない
- あのときがあったから今の自分がいる
- 同じ経験で苦しんでいる人の力になれるかもしれない
- あの時期を乗り切ったことを自信にしよう
- そばにいてくれる人、支えてくれる人に感謝しよう
このように、あなたの感情は「今」生きています。過去の嫌な感情や、未来への漠然とした不安に振り回されず、「今」を基準に考えてみてください。
明日の目標をもつこと、自分はどんな人になりたいか、そのために今何ができるか、それがあなたの軸になります。
心の軸は、不安な感情に振り回されそうになったときの支えになってくれますよ。
まとめ

- 嫌なことばかり思い出すのは、脳が恐怖や不安に反応しやすく、記憶と感情が連動しているから
- 問題を解決するために論理的な思考をしているときは、感情の高ぶりが抑えられる
- どうにもならないときは脳の働きがうまくいっていない可能性があるため、医療機関を受診しよう
- 嫌なことばかり思い出す心理1:その出来事をあなたの中で解決できていない、まず自分なりに受け止めてみよう
- 嫌なことばかり思い出す心理2:今抱えている問題と過去の出来事がリンクしている、過去と今は切り離して考えよう
- 嫌なことばかり思い出す心理3:過去に意識が向いている、明日の目標やどんな人になりたいか、近い未来に目を向けてみよう
- 好きなことや散歩などで気分転換して、過去の感情や未来への不安に振り回されないようにしよう
人間の脳は、危険から身を守るために働いていることがわかりました。不安や恐怖を打ち消してくれるのは、理性であり、客観的に、論理的に考えることです。
無理に前向きになる必要はありませんが、気分転換をしながら、今できること、少し先のことに目を向けてみましょう。
まずは明日、好きなものを食べませんか?あなたは今なにが食べたいですか?私はスタバに行こうと思います♪
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