EMS(Electrical Muscle Stimulation)は、電気刺激によって脳から指示を受けたのと同じように筋肉を動かせる機械です。
2020年には、消費者庁がEMSを取り扱う会社に措置をとっており、「消費者庁が動いたなら、効果なしなの?」という声があがっています。
私は足を置くタイプのEMS製品を使っていますが、まだ足が痩せたと実感できていません。
EMSは本当に効果があるのか、実は効果なしなのか、気になりますよね。
この記事では、消費者庁の措置やEMSについての論文をご紹介します。
業務用との違いや、安全性について、おすすめの商品もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
EMSが効果なしか消費者庁の措置を解説
消費者庁の措置は広告が原因なので、EMSが効果なしかどうかを実際に判断することはできません。
しかし、消費者庁の措置から、EMSだけで大幅に痩せるというのが誇大広告だということがわかります。
また、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、軽量化(ダイエット)をうたった機器の認証を拒否しているそうです。
消費者庁の措置
消費者庁は、EMS機器の販売事業者4社に対する景品表示法に基づく措置命令を行いました。
上記の4社は、一般消費者に対して、合理的な根拠が示せない内容を用いて、実際よりも著しく優良であるような宣伝をしていたと判断されています。
具体的には、「たった1ヶ月でウエスト-10cm!!」「Aさんの場合:-〇cm」といったものです。
モニターを募っての計測なのかもしれませんが、食事管理や他の運動をせずに大きな効果が得られるように見えますよね。
よく見かける「※個人差があり結果を保証するものではありません」という打ち消し表示でも不十分だと判断されています。
この措置からも、EMS機器を付けるだけで劇的に痩せられるという説は、かなり大げさだと言えます。
米国食品医薬品局(FDA)
FDA は、軽量化をうたった機器の認証を拒否しています。 EMS デバイスが引き起こすカロリー燃焼は、せいぜいわずかです。大量のカロリーが燃焼されるのは、身体の大部分が運動に関与している場合のみです。つまり、いくつかの筋肉、心臓、呼吸器系がすべて一度に運動している場合に限られます。
引用:フリー百科事典ウィキペディア(和訳)
以上の記述からも、EMSには脂肪を燃焼させる効果が期待できないことがわかります。
EMSはダイエットに効果なしってこと?
いくつかの論文で、電気刺激で筋肉を引き締める効果があることが証明、または示唆されています。
EMSは効果なしか論文を紹介!筋肉に効果
EMSは効果なしなのかを調べたところ、筋肉量の増加や、ウエストや二の腕などのサイズ減少が見られたという論文が見つかりました。
ここでは、論文の結果をメインに、内容を簡単に解説しますね。
MTG(シックスパッド)
SIXPADは、EMSの正しい理論・効果を世の中へ伝えるための取り組みとして、京都大学、中京大学教授などの協力のもと、EMSに関する論文を複数発表しています。
随意運動によりも電気刺激による運動の方が、疲労が亢進することを示唆する研究結果が出ています。
早稲田大学
「腹部体脂肪の減量に対する電気刺激の効果」で、健康な女子大学生9名に対して腹部へのEMS負荷による実験や、その際の血漿遊離脂肪酸濃度の測定などを行っています。
結果として、30日間のEMS負荷で、以下の効果を認めることができたそうです。
- 腹部の筋肉量の増大
- 体脂肪量の減少
- 2次的効果として腹部周囲径の減少
EMSの腹部使用は、脂質の燃焼促進、長期的な使用で腹部筋肉量の増大や、安静時代謝の向上といった、脂質を燃焼しやすい体組成に変化させる効果があると考えられています。
ヤーマン
ヤーマン株式会社の依頼により作成された「EMS 美容機器によるボディメイク効果」という論文です。
20歳以上59歳以下で、二の腕や脹脛が太いと感じている BMI23以上の女性を対象として、家庭用EMS美容機器「WAVY」を用いた試験を実施しています。
使用直後の測定では二の腕・脹脛で有意な減少がみられ、使用6週後・12週後はウエスト・二の腕・脹脛の3項目すべて有意に減少したとされています。
海外の論文
EMSは、早期に筋肉を活性化するため、運動や活動の前により効果的であることが証明されています。
2018年の研究では、電気刺激は運動後の回復には効果なしで、遅発性筋肉痛の増加につながる可能性さえあることが判明しています。
つまり、疲労回復というより、筋肉を活発にする働きがあるということですね。
実験では、ある程度の効果が確認されているんだね!
次に、接骨院やエステで使われるEMSと家庭用EMSの違いを簡単に説明しますね。
EMSは効果なしか接骨院と家庭用の違いとおすすめ
家庭用のEMSと、接骨院やエステなどで使用される業務用のEMSの違いは、扱える周波数です。
家庭用と業務用の違いは周波数
家庭用のEMSは低周波~中周波で、業務用は中周波~高周波です。
周波数が高いほど、身体の深部まで刺激が届きます。
低周波 | 中周波 | 高周波 | |
周波数(Hz) | 1~1,000 | 1,000~10,000 | 10,000以上 |
刺激が届く距離 | 皮下数mm程度 | 皮下3~4cm | 皮下10~15cm |
特徴 | ピリピリとした痛みを感じる | 少し痛みを感じる | ほとんど痛みを感じない |
高周波は、筋肉について専門的な知識のある人でないと危険を伴うため、家庭用のEMSには採用されていません。
早くて確実な効果を期待するなら、接骨院やエステなどで業務用のEMSを使うのがおすすめです。
ですが、家庭用のEMSが効果なしというわけではありません。
論文でご紹介したシックスパッドとヤーマンは家庭用製品を取り扱っています。
低周波は皮下数mm程度と言われていますが、足裏タイプを使うとふくらはぎがびくびく動いているのがわかります。
シックスパッドは、主に20Hzを採用しているのですが、この周波が高すぎると、筋肉の準備が間に合わず、結果的に効果が落ちてしまうのだそうです。
このように、メーカーによって可能な範囲内で効果的な周波数が研究されています。
家庭用のEMSの良さは、気軽にテレビを見ながらでも使えるところですよね。
私の感想ですが、使い始めはピリピリと痛みを感じますが、使っているうちに筋肉が動くのを感じて気にならなくなりますよ。
EMSの安全性
安全性に関しては、「日本ホームヘルス機器協会」に加盟している企業の製品なら間違いなさそうです。
EMSが登場したあと、安全性が保証されているかわからない商品も流通しました。
やけどなどの健康被害が国民消費者センターに寄せられることが多くあったことから、以下のような取り組みが行われています。
- 2013年、EMS安全基準検討委員会が発足
- 2015年、業界団体「日本ホームヘルス機器協会」によって、安全性に関する自主基準が定められる
そんな私は、聞いたことのない企業から販売されている、5,000円程度のEMS商品を使っていますが、今のところ健康被害はありません。
とはいえ、友達や家族におすすめするなら、安全性の高い商品を選びたいです。
そこで「日本ホームヘルス協会」のホームページから、会員(美容部門のマークがある)の企業をピックアップしてみました。
たくさんあるので、気になる方はクリックしてみてください↓。
安全を保証するために、使用上の注意事項も記載されていますので、購入されるときは、使用上の注意事項に目を通してから使用しましょう。
長時間使うと、筋肉を使いすぎてしまうため、使用時間を守ることも大切です。
また、長期間使って劣化が見られるものは、やけどなどの原因になるため、使わないようにしてくださいね。
家庭用のおすすめ商品
EMSといえば、論文でご紹介したシックスパッドとヤーマンが間違いありません!「日本ホームヘルス協会」加盟企業でもあります。
ただ、上記は高価なため、購入するには勇気がいりますよね。
そこで、以下の条件で、おすすめ商品をご紹介します。
- 周波数が効果的
- 「日本ホームヘルス協会」加盟企業
- 1万円以下で購入できる
MYTREX エンジェル EMS ボディケア マシーン
見た目のかわいさとコンパクトさ、それに反するパワフルさが人気の商品です!
ルルドスタイル EMSシート
1mmという薄さで、中周波と低周波を組み合わせた立体的な刺激が可能です。
まとめ
- EMS製品を取り扱う4つの会社に対する消費者庁の措置は、誇大広告によるもの
- EMSは、直接的に脂肪を燃焼させる効果なし
- EMSの使用で、筋肉を増やしてサイズダウンさせる効果あり
- 業務用と家庭用の違いは、周波数で、周波数が高いほど刺激が深く届く
- 安全性を重視するなら、日本ヘルス機器協会に加入している企業を選ぶとよい
- 家庭用が効果なしということはなく、シックスパッドとヤーマンがおすすめだが、日本ヘルス機器協会加入企業の安価な製品もある
EMSは、なかなか運動ができない方や、運動の補助として使いたい方にもおすすめです。プレゼントにもよいですね!
EMS製品を使用するときには、使用時間などの注意事項を守って安全に使用してくださいね♪